STIHLチェンソーの型式の見方

田中機械は2021年から正式にSTIHLShopになりました。メーカー様よりSTIHL製品に関する講習会を受けているので、それらの情報を発信していきたいと思います。今回はSTIHLチェンソーの型式の見方についてです。STIHL製品を選ばれる際の参考にして頂けたらと思います。

型式の法則性について

農機具の全般に言えることですが、 型式には意味がありそれを理解することで性能が一目瞭然に分かります。 型式のパターンを3パターンに分けてみました。それぞれの解説をします。

①最初の頭文字について( MS )

STIHLチェンソーですが必ず「MS」という表記がつきます。これはSTIHLがドイツのメーカーということもありドイツ語でチェンソーを意味するMotorsägeの頭文字からきています。

②数字について(180)

一般的な農機具ではこの数字が製品の馬力などの性能を記載しますが、STIHLに限っては決まった法則性はありません。あるとすれば末尾の数字はチェンソーのシリーズを表しています。つまりMS180C-BEというチェンソーはプロ向けであり初号機という意味になります。ちなみにMS181C-BEという機種もあり、末尾に「1」が記載してあるので次世代機となります。

③末尾について(C-BE)

この末尾の記載が性能を表しています。この末尾の詳細については以下にまとめました。

末尾の型式表記について

それでは末尾の表記はどうなのかを解説致します。この末尾は「C」「-BE」に分解できます。なお、「BE」の順番はアルファベット順です。

C(コンフォート)

STIHLチェンソーに限らず末尾に「C」が付いたり、付かなかったりといった製品があります。この「C」は快適さ、便利さを意味するcomfortの頭文字からきています。「C」が付いている製品にはユーザー様にとって使用する際に「快適(便利)」をもたらすことを指します。英語でいう否定文には「don’t」が付くのと同じ理屈です。

このCの後に必ず「-E」などの英単語が付きます。具体的な「快適(便利)」の意味は、「C」以降の英単語が記しています。以下がその解説です。

E(エルゴスタート)

C以降に「E」が付くとエルゴスタート機能が付きます。これはエンジン始動時のリコイルを引くのが軽くなり容易にエンジンがかけられるようになります。クランクシャフトとスターターロープに追加されたスプリングがそれを実現させています。 型式に「E」がないものはエンジン始動が重たくなります。

当然ながらこの機能はあったほうがいいのですが、あえてこの機能がない方がいいという方もいらっしゃいます。 エンジンの始動の重さは腕力カバーし、かかればあとは スプリング部品がないので、 重量が200g軽くなり長時間チェンソーを保持出来ます。 また価格が5000円ほど安くなります。

B(クイックチェンテンショナー)

工具を使わずに、スプロケットカバーの取付/取外しや、チェンソーの脱着、張り調整が簡単に行えます。


プロ向け、林業向けチェンソー

以上までの機能がカジュアル向けの便利機能です。以下はプロ向け、林業向けの機能になります


M(M-TRONIC)

完全電子式エンジンマネジメントシステムであらゆる条件下で常に最高のパフォーマンスとアクセラレーション(加速性)を実現出来ます。

具体的に何をしているのかというとチェンソーのキャブレーター調整を電子制御で行っています。チェンソーは標高が変わると気圧の関係でエンジンがかからなくなってしまいます。プロの林業業者の方々は様々な標高の山に籠って伐採を行いますが、標高が変わると都度キャブレーターを調整して対応していました。

このM-TRONICが搭載していれば電子制御でキャブレーターを自動的に調整してくれます。一定時間チェンソーを動かしているいると現在動かしている箇所の気圧を覚えてくれる仕組みです。

i(インジェクション)

キャブレーターなしのモデルです。燃料は当然ながら2サイクル燃料なのですがディーゼルエンジンのように直噴でエンジンを回転させます。直噴なのでトップスピードまで0.5秒です。まさに1秒を争うプロの現場向けです。スイッチレバーも無くなり、STOPボタンを押すだけでエンジンが停止します。

V(キャブレターヒーター)

キャブレーターを温める機能が付きます。山間部は気温が低く、キャブレータ内のガソリンが結晶化してエンジンがかからなくなるのを防ぎます。

W(ハンドルヒーティング)

ハンドルを温める機能が付きます。寒い山間部では手がかじかむのでハンドルを温めることにより安全に作業が出来ます。


その他機能

特定の用途に特化したチェンソーには独自のアルファベットが付きます。


T(トップハンドル)

剪定向けの片手で操作できる小型のチェンソーです。

E(エレクトリック

コードタイプの電気で動くチェンソーです。

A(バッテリー)

バッテリータイプの電動チェンソーです。

R(レスキュー)

レスキュー・消防用チェンソー。倒壊家屋の梁や柱に含まれる釘等の金属を木材と共に切断可能な救助専用チェーンソー です。限定代理店のみで取り扱い中

まとめ

2021年現在の機能は以上です。STIHLチェンソーは国産のやまびこなどのモノ作りの考え方が違うため、国産チェンソーから移行すると使い方などで少し困惑してしまうこともあるかと思いますが、何かお困りでしたらメーカー公認であるSTIHLShopへお問い合わせください。

田中機械株式会社
フリーダイヤル:0120-413-883

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